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一般社団法人 日本アルミニウム協会
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アルミ缶

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アルミ缶と環境最終更新日 2024年4月24日

アルミ缶は環境にやさしい、優れた飲料容器です。

アルミ缶をリサイクルすると、省エネルギーに役立ち、CO2排出量を大幅に減らすことができます。
アルミ業界では、アルミ缶の軽量化や、リサイクルしやすい合金開発などの技術開発を進めています。
またライフサイクルアセスメント(LCA)調査を継続的に実施し、環境への影響を正確に評価しています。
皆さんもぜひ、アルミ缶のリサイクルに協力してください。

01

環境負荷を評価するLCA調査

アルミ缶は一生で、どれだけ
環境にやさしいのか。
ライフサイクルアセスメント(LCA)で
評価しました。

LCAとは、ある製品の原料を採取した時から、その製品が使用されリサイクル(または廃棄)されるまで、製品のライフサイクル全体を通じたエネルギー消費量や、環境負荷などを評価する計算手法のことです。
アルミ缶委員会では、2019年の国内アルミ缶製造実績に基づき、アルミ缶のLCA調査を行い、アルミ缶の環境負荷を具体的に研究しました。(調査期間:2020年12月〜2023年7月)

02

アルミ缶を作るときのCO2排出量の変化

CO2排出量は
20年でぐんと少なくなった!

アルミ缶1缶あたりのCO排出量は、前回調査(1999年実績)と比較して約12%減少しました。技術革新による軽量化や省エネ技術の進展に加え、消費者の皆様のご協力により分別回収された使用済みアルミ缶(UBC)の使用率増加などによるものと考えられます。

03

省エネ効果の大きいアルミリサイクル

軽いアルミ缶が、さらに軽量に!

アルミ缶の重さは、20年前(1999年)と比較すると、6%軽くなりました。
アルミ缶を軽量化すると、アルミ原料の省資源に役立ち、アルミ原料や輸送エネルギーを削減できます。

03

軽量化が進むアルミ缶

リサイクル地金を作ると
エネルギーはわずか3%ですむ!

アルミニウムをリサイクルしたリサイクル地金は、原料から作る新地金と比較して、エネルギー消費量をわずか3%に抑えることができます(いわゆるグリーンアルミや低炭素アルミは除く)。
リサイクル地金の場合は、アルミナの電気分解など大量に電力を使用する工程が不要なためです。

外部有識者コメント

アルミ缶は
持続可能な社会に最適な容器です

星野 岳穂 先生

東京大学大学院工学系研究科
マテリアル工学専攻 特任教授 工学博士  星野 岳穂 先生

 世界中で経済発展が進み、それに伴って、産業活動で人為的に排出される大量のCO2を要因とする気候変動問題への関心が高まる中、アルミニウムや鉄鋼等の大量生産される金属基礎素材に対しても、素材自体の持つ環境負荷や、持続可能性が評価され、素材が選択される時代になっています。
 私達の日常生活で身近な飲料容器についても例外ではなく、強度や寿命、価格等の材料の特性だけでなく、新たな評価軸として①生産時から廃棄、リサイクルに至るまでのライフサイクル全体で投入する資源、エネルギー量が小さいこと、②リサイクルし易く、特に水平リサイクルが可能で資源を循環させ持続的に使用できているか否かを重視し評価すること、が極めて大切になっています。

 こうした背景の下、飲料容器の主要素材(金属(アルミニウム、鉄)、PET、ガラス、紙)を比較分析すると、アルミニウムは他の素材と比較して天然資源量が一番多い、軽い、長寿命で、他の金属と比較して融点が高くなく(660℃)、再溶解してリサイクルし易いことに加え、スクラップを原料に再生産すると、天然資源から生産する場合と比較して最大97%投入エネルギー量を節約できることが、優れた特徴として挙げられます。驚異的な省エネ効果ですが、他素材と比較して特にアルミニウムのリサイクル優等生ぶりは際立っています。

 容器用素材の持続可能性を評価する場合は、「水平リサイクル率」が重要となってきます。水平リサイクル率とは、回収したアルミ缶から新しいアルミ缶を作るような、リサイクル前と後で元々の製品と同等の品質を保てる資源循環ループが形成されている比率を示しています。
 日本のアルミ缶のリサイクル率は世界的に見ても非常に高く、2022年度のリサイクル率(消費されたアルミ缶のうち、金属資源として再生利用される割合)は93.9%、水平リサイクル率(国内で再生利用されるアルミ缶由来の資源のうち、再びアルミ缶の原料として利用される割合)は70.9%に達しているのです。

 私の研究室でも、アルミニウムをはじめとする基盤金属のマテリアルフローを精緻に分析していますが、アルミニウムは水平リサイクルを既に実現しており、リサイクルを含むマテリアルフローが精緻に描ける数少ない金属素材の1つです。アルミニウムの持つリサイクルしやすい特性はもとより、マテリアルフローを精緻にトレースするための業界統計が整備されており、これにより環境・資源問題の取り組み課題を抽出しようという、関係者の環境への高い問題意識と努力の賜物であります。

 水平リサイクルを含めたマテリアルフローを推計できるようになると、環境負荷を定量化するためにリサイクルを考慮したLCA手法を適用可能となります。
 当研究室での分析によれば、リサイクルを考慮したLCAでは、アルミニウムのCO2排出量は、リサイクルを考慮しない場合(約9kg-CO2/kg-Al)に比べて約半減します。つまり、アルミニウムの環境負荷は、リサイクルを含めた場合、極めてエコな素材と評価できます。
 これらの具体的な数値は、アルミ缶が他に比べて、リサイクル性に優れ、環境に優しい持続可能な容器であること、日本では、世界でトップクラスのアルミ缶リサイクルプロセスが確立されていることを示しています。アルミ缶のリサイクルを推進することは、国内資源の有効活用だけでなく、温室効果ガスの排出量削減にも繋がり、持続可能な社会構築への大きな一歩となります。

 但し、リサイクルの優等生であるアルミ缶にも2つの大きな課題があります。1つは、アルミ缶のボディ部分は3000系、フタ部分には5000系合金と異なる合金が使われていることです。それらは分離せずに回収・再利用されており、リサイクルを繰り返すと合金添加元素が不純物元素として濃化していき、品質が低下することです。もう1つは、缶の塗料です。塗料に含まれる高分子化合物が溶解時に燃焼し、酸化を促進するため、メタルとしてのアルミニウムの回収量が減少してしまうこと、塗料の顔料に使用されている酸化チタンが、不純物元素源として溶湯成分中に増加してしまうことも課題です。

 アルミ缶を同一の合金で生産すること、リサイクルを考慮した塗料の工夫等の課題を解決し、アルミ缶がリサイクルの「優等生」から「模範生」となって他の素材を牽引していく役割を果たすことを期待しています。また、アルミニウムは電解法で製錬するため、そのプロセスで莫大な電気エネルギーを消費していますが、将来、その電気が再生可能エネルギーで賄えることになれば、アルミニウムは一躍グリーン素材としてのポジションを確立することは、言うまでもありません。

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