アルミ箔の世界 HOME > アルミ箔の料理・実験・おもしろ活用法 >おもしろ活用法:誰にでもすぐできる本格的焼き物 "七輪陶芸"のすすめ
"七輪陶芸"?。耳慣れない言葉かもしれませんが、一度やってみれば誰もがとりこになる楽しい焼き物です。「自分でつくって、自分で焼き、そして使う。短時間で焼け、場所も選ばず、道具は身近なものばかり。経費もかからず、それでいて陶芸の神髄に触れることができる。それが七輪陶芸です」(陶芸家・吉田明さん)。 | ||||||
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陶芸用の土と木炭、それに以下の"七つ道具"=七輪、ヘアードライヤー、火ばさみ、金網、フライパン、皮手袋(または軍手)、そしてアルミホイル。 これだけ用意すれば一通りの道具立てはOKです。 土は、大型ホビー・DIYショップや趣味の陶芸用品店などで、七輪(1200~1500円)は日曜大工店で入手できます。炭は1箱500~600円のもので、ぐい呑み5、6個位焼くのには十分です。 |
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七輪陶芸"七つ道具" |
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成形法には、玉づくり、紐づくり、手ロクロなどがありますが、先ずは一番手ごろな玉づくりから。 |
土を玉のように丸めてから、親指を押しこむようにしながら徐々に器の形に仕上げてゆきます。焼きあがると、土で作った時の大きさより器が1、2割小さくなることを念頭において、仕上がりのイメージより少し大きめに成形します。 | ||||
形を作ったら次は乾燥です。ヘアードライヤー(温風)、扇風機などで風を当てて乾燥を早めます。 器の大きさや肉厚の程度にもよりますが、温風乾燥には大体1時間半位かかります。表面がまんべんなく白っぽくなるまで十分に乾燥させます。 |
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乾燥したら次は素焼きに移ります。 一個ずつアルミホイルに包んで、フライパンにのせ、七輪にかけて加熱開始。フライパンの上からアルミホイルで覆いをかけ、保温します。最初は七輪とフライパンの間に、レンガの切れ端など物をはさんで隙間をつくり、遠火で、あくまでもやさしく熱を加えていきます。 |
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15分ほど経ったら、フライパンの下にはさんでいた物を外して近火にし、さらに15分加熱。七輪の戸口も最初は閉めておき、途中から開けて空気を取り込み、徐々に火力を上げていきます。 | ||
次にフライパンを外して、金網越しに炭火で約20分焼きます。 (加熱開始からここまで約50分)。 |
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金網をとり、器をアルミホイルに包んだまま炭火の上に直に乗せ、本格的な素焼きに入ります。器の上にも炭を乗せ、戸口を閉めて上と下から20分ほど蒸し焼きにしていきます。時々器をひっくり返し、まんべんなく火を通していきます。 | ||
戸口を全開にして火力を上げ、さらに15分焼いて素焼き完了。最後の10分間は、戸口からドライヤーで風を送りこみます(この時ドライヤーは戸口から30cm位離しておく)。加熱開始からここまで約1時間25分です。 | ||
釉薬(うわぐすり)を使わない場合、素焼きに引き続いて、器を冷まさずそのまま本焼きに 移ります。 |
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素焼きの過程でボロボロになったアルミホイルを器から取り除き、器を下向きにして七輪に戻します。上に炭を追加し、戸口からドライヤーの風を送りこんで火力をどんどん上げていきます。ドライヤーは初めは戸口から20~30cm位離れた位置に置き、徐々に近づけていきます。一番近づけたときでも5cm位は離しておくようにします。近づけ過ぎるとドライヤーの先が溶けるので注意。(ドライヤーの先端部をアルミホイルで2、3重にくるんでおくと、近づけても先が溶けたりすることがなくなります) 七輪の戸口からドライヤーで炭火に送風し続けると、明るい黄色の炎が立ち昇り、温度は最高1400℃以上に達します(陶房吉田では1460℃まで実験済み)。これは業務用の窯にもヒケをとらない、どんな焼き物でも問題なく焼成できる火力です。 炭を追加しながら約20分間焼き続けます。途中、時々火ばさみで器をつまんで様子を見、向きを変えます。器が真っ赤になり、さらに黄金色に変わって透き通るように見えたら、ほぼ焼成完了です。 |
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火の具合により、炭の灰が釉薬の働きをして表面に溶けたような微妙な模様をつくります。その様子を見極めて、器を七輪から取り出します。 | ||
10分ほど放置してから、水道水につけて冷まし、洗って出来上がりです。 (写真は、ある日の講習会から) |
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詳しい情報は、『すべてができる七輪陶芸』(吉田明著・双葉社・1700円)、『七輪陶芸入門』(吉田明著・主婦の友社・1700円)に。大き目の茶碗の焼き方や、釉薬を使ったさまざまな風合いの焼き物づくりなど、七輪陶芸のすべてが紹介されています。 |