アルミ缶取材レポート
個性的なパッケージに適したアルミ缶の使い方
2014年からクラフトビールの製造を開始して、ビアバー向けの樽製品と、缶ビールを製造しています。缶ビールは、コロナ禍の後に家飲みを想定して始めました。定番は「三十苦」「大人の缶ビール」「おも白いびぃる」の3種類です。このうち主力の「三十苦」は、「3倍ホップの10%の苦いビール」という意味です。同じ時期にクラフトビールで缶ビールを始めたメーカーは多くありましたが、味は当たり障りのないビールが多かったように思いました。それならばと、当社は他と違う味、王道の味を目指しました。名前も個性的にし、並んだ時に目につきやすいパッケージを作りました。350ml缶は店頭に置きやすい大きさで、家で飲みやすいサイズだと思いました。




飲みたい気持ちにこたえるアイデアも続々
印刷していない無地のアルミ缶なのですね。
大手ビールメーカーのような印刷缶を作るには少なくとも15万缶程度注文しなくてはならず、これは少量多品種のクラフトビールにとっては、なかなか難しい数です。そこで製缶メーカーにお願いして、無地のアルミ缶を納めてもらい、ラベルをシール貼りするようにしたのです。これならラベルだけ変えれば、違う種類のビールでも缶を変えずに充填できます。 充填は、2020年に米国製の充填&巻締機を導入して、社内で行っています。機械はコンパクトで、キャスター付きで移動でき、スピードも速くて、生産の変更にも対応しやすい。当社のサイズ感にうまく合っていると思います。
その場でビールを詰めてもらえるのですか。
持ち帰り用の缶は、スクリューキャップのボトル缶で500ml入りです。その場で飲むビアバーだけでなく、目の前でビールを詰めて持ち帰るようにできないか、と考えたのがきっかけで、持ち帰り用の巻締機を導入しました。アルミボトルなので軽く持ち運びが便利です。また、スクリューキャップなので飲んでいる途中で開け閉めができます。欧米では、お客さんがビールを入れてもらう容器「グラウラー(ガラス瓶、魔法瓶)」を持参してテイクアウトする方法が普及していて、日本にも導入されていますが、クルマ社会でない日本では持ち運びが不便(大きさ、重さ)で、あまり普及していない状況です。クラフトビール業界は新しいものに興味を持つ人が多く、「当社もこれを導入したい」と言われて紹介した事もあります。




アルミカップが人気だそうですね。
各地で行われるビールイベントでは、これまでプラスチックカップが使われていましたが、海洋プラスチックごみを始めとする環境問題がクローズアップされており、プラスチックカップは回収してリユースもしくはリサイクルしなければならなくなっています。そこで目を付けたのがアルミカップです。アルミニウムはリサイクルできます。使われている素材はアルミ缶と同じなので、将来的にはアルミ缶と一緒に回収出来るようになると思います。
すでに米国ではアルミカップが大きなスタジアムやイベントで使用され普及していますし、日本でも、スポーツ観戦やイベントなどでアルミカップが使われるようになるのではないでしょうか。SDGsの観点からもアルミ缶やアルミカップは注目されると思いますので、今後はもっと使われると思います。

