アルミニウムの特性(3)
6.磁気を帯びない
アルミニウムは非磁性体で、磁場に影響されません。この特長は、アルミニウムの他の特性である、軽い、耐食性にすぐれている、加工性がよい、などと組合わせることによって、さまざまな製品に生かされます。おもな製品としては、パラボラアンテナ、船の磁気コンパスなどの計測機器、電子医療機器、メカトロニクス機器などがあげられますが、さらにはリニアモーターカーや超電導関連機器にいたるまで、その用途が大きく広がっています。
MRl(磁気共鳴映像装置)

7.熱をよく伝える
アルミニウムの熱伝導率は鉄の約3倍。熱をよく伝えるということは急速に冷えるという性質にもなります。そのため冷暖房装置、エンジン部品、各種の熱交換器、ソーラーコレクター、また、飲料缶などにもこの特性が生かされています。最近の高密度化した機器、システムの過熱防止のための放熱フィンやヒートシンクとしても使われています。
また、この性質を利用して、プラスチックやゴムの成形用金型などの新分野にもアルミニウムが使われます。
自動車用ラジエーター

8.低温に強い
アルミニウムは鉄鋼などと違って液体窒素(−196℃)や液体酸素(−183℃)の極低温下でも脆性破壊がなく靭性が大きいのが特長です。低温プラントやLNG(−162℃)のタンク材として使われているうえ、最近では宇宙開発やバイオテクノロジー、極低温の超電導関連といった最先端分野でもこの特性が脚光を浴びています。
LNGタンカー

9.光や熱を反射する
よく磨いたアルミニウムは、赤外線や紫外線などの光線、ラジオやレーダーから発する電磁波、さらに各種熱線をよく反射します。純度の高いアルミニウムほどこの性質はすぐれており、純度99.8%以上のアルミニウムは放射エネルギーの90%以上を反射します。この特性を生かしたのが暖房器の反射板、照明器具、および宇宙服などで、最近ではアルミニウムに鏡面加工を施してこの特性をいっそう高め、ポリゴンミラーをはじめとした光エレクトロニクス製品にもよく使われています。
ポリゴンミラー

 
 
 
copy right (C) 2004 JAPAN ALUMINIUM ASSOCIATION