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絞り加工は、アルミニウムのすぐれた展伸性を生かした成形加工方法で、深絞り加工やへら絞り加工などの方法があります。
深絞り加工は、素材をダイスの上に置き、ポンチでダイス孔の中に絞り込んで成形する方法です。深い底付き容器などを効率よく生産できる方法で、飲料缶や鍋などの台所用品をはじめ、各種工業製品の成形加工に幅広く用いられています。
なお、深絞り加工で得たカップを、さらに薄くて深い製品にするため、クリアランスの小さいダイスとポンチを用いてカップの側壁を高さ方向にしごき出す加工を、しごき加工と呼んでいます。この方式で作った缶類をDl缶と称し(D:Drawは絞り、I:Ironはしごきの略)、ビール、その他の飲料用アルミ缶は、その代表的な製品です。
また、強度や耐食性と塑性加工性もすぐれたプレス用アルミ合金も開発され、自動車の車体や部品をはじめ複雑な形状を効率よく成形できます。
へら絞り加工は、素材またはある程度成形してある中間薄板製品を専用のへら絞り旋盤に取り付けた型といっしょに回転させ、へら棒やローラーを工具として押し付け成形する方法です。ろくろ加工に似たこの方法は、外周が円形の比較的底の浅い容器や、反射鏡、自動車用ホイールなどの成形に用いられます。 |
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機械的に切断する場合には、シャー、丸のこ、帯のこ、ジグソーなどを使用します。
また、簿板を効率よく切断する方法として、プラズマアークやティグアーク、レーザービームなどによる溶断技術やウォータージェットが開発されています。 |
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フライス、バイト、ドリルなどの機械工具で削って仕上げる加工方法で、フライス盤、旋磐、マシニングセンターなどが用いられます。
とくに管や棒の場合は、切削用に開発された快削アルミ合金がよく使用されます。この合金は簡単に切削でき、発生する切りくずが細かく、切りくずの処理も容易です。
切削加工のなかで最もよく使われるのは旋削加工です。これは旋盤に取付けた材料に鋭い切削バイト(刃物)を押し付け、回転させながら材料の表面を切削するもので、精密な寸法形状が得られます。
最近、ロボットのハンド(手の部分)やプラスチック射出成形機の金型などの新しい機器部材、治工具にアルミ合金(おもに7000系合金)が使われています。 |
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アルミ製品の表面をダイヤモンドなどの精密な工具で切削することにより、鏡のように高い反射性を得ることができます。このような精密切削加工によって表面の粗さが少なく、平たんで寸法精度にすぐれた製品ができます。
鏡面切削加工を施したアルミ製品としては、コンピューターの磁気ディスクや複写機用感光ドラム、レーザープリンター用ポリゴンミラーなどがあります。 |
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