■生体と地球を構成する元素 |
人間の体はどのような元素でできているのだろうか。1972(昭和47)年にIAEA(国際原子力機関)は、標準人間(男性、体重70kg)の体内に存在する36元素の量【表1】を発表しており、これが現在のスタンダードとなっている。その後に測定法が進み、現在ならさらにいろいろな元素が測定できるのではないかと思われる。アルミニウムは21番目に多く、体重に対する割合は0.00009%である。分析化学では、1%以上あるものを主成分、1から0.01%(100ppm)を少量成分、0.01%以下を微量成分と呼んでいる。従来はこのレベルを微量分析と呼んでいたが、最近は測定器が進歩し、1ppm以下を超微量分析、超微量元素ということもある。
地球の元素の組成では、クラーク数という考え方がある。これは、地球の表面をりんごの皮をむくように1マイルの厚さにむき、それをミキサーにかけると、どういう成分の順番になるかを表したものだ。いちばん多いのが酸素、次がケイ素、3番目がアルミニウムである。環境測定の際にアルミニウムとケイ素が多ければ、それは土壌由来の汚染であると判断することが多いのはそのためである。 |
【表1】標準人間(体重70kg)の元素組成 |
(IAEA資料より) |
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