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■「偏食」が目立つ患者の食生活

 健康の3原則といわれる栄養、運動、休養の中で、生活習慣病への影響は食事栄養因子が最も強い。アポE本来の生物学的役割は、脂質の輸送を行う蛋白質で、脳が受けた外傷を修復する機能を持っている。
 私たちは、アルツハイマー病患者の発症前1ヵ月の食物の摂取状況を調査した。それによると、最も顕著な傾向は、肉を好み、魚と野菜は嫌いという偏食である。また、甘いものやコーラなどばかり摂る、非常な小食なども多い。栄養素では高齢者の認知機能に影響を与えるミネラル、カルシウム、カリウム、リン、ビタミンB、C、カロチンなどが少ない。脂質では、魚に多いω3多価不飽和脂肪酸(PUFA)が少ない。肉に多く含まれるω6などの脂肪酸の比率が上がると、血栓、動脈硬化、慢性炎症などが現れる。肉が多いのがよくない、と言われるが、実は魚の少なさの方がより本質的な問題である(図参照)。調査では、アポEを持っていても痴呆にならない人は、ミネラル、ビタミンに加え、ω3などの脂肪酸の摂取が多いことがわかった。

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