バックナンバー (〜2009.6.3)

ニュースリリース「雑誌「ゆとりあん」((株)ウエッジ発行)掲載記事について」(平成21年6月3日)
ニュースリリース「大阪スポーツ新聞掲載記事について」(平成21年6月3日)
ニュースリリース「日刊工業新聞寄稿記事について」(平成21年6月3日)
ニュースリリース「夕刊フジ掲載記事について」(平成21年6月3日)
ニュースリリース「雑誌「R25」 No.217(リクルート発行)掲載記事について」(平成21年6月3日)
ニュースリリース「NIKKEIプラス1(日経新聞土曜版)掲載記事について」(平成18年8月25日)
ニュースリリース「書籍『経皮毒が脳をダメにする』におけるアルミニウムの記述について」
(平成18年2月27日)
「毎日放送『みかさつかさ』放映について 」(平成17年12月8日)
「テレビ東京『WBS』放映について」(平成17年7月27日)
「産経新聞社記事について」(平成16年4月21日)
「文藝春秋社『週刊文春』記事について」(平成16年4月7日)
「未来材料」2003年第7号「潤滑剤のいまむかし」(株)エヌ・ティ・エス発行
「リンカラン」2003年Vol.2「自然療法「ホメオパシー」のふしぎ」(株)ソニーマガジンズ発行
「家庭医学大百科」(株)永岡書店発行
「週刊文春」10月16日号「わたしが答えます」(株)文芸春秋社発行
「はつらつ元気」2004年1月号「腸の毒素排出ダイエット」(株)芸文社発行
2004年1月7日産経新聞「体のミネラル測定します」
「ら・べるびぃ(株)」



雑誌「ゆとりあん」((株)ウエッジ発行)掲載記事について(平成21年6月3日)

 2007年3月アグネ技術センターの月刊誌「金属」Vol.37 (2007)NO.3掲載の川原氏の論文「アルミニウムの生体への影響」の中で、引用論文の説明に原文とは異なる趣旨の記述(アルミニウムを有害とする主張)があった。

当協議会では編集者に対し見解書(反論)を送付し、「金属」への掲載を申し入れた。
これに対し、編集者から掲載は困難との指摘があったが、その後、国立長寿医療センター研究所アルツハイマー病研究部長の道川誠博士に「アルツハイマー病の分子病態と治療戦略」というタイトルで御寄稿頂き、これをもって問題解決に進みたい。との回答があった。2009年12月 「金属」Vol.79(2009)No.12に道川博士の特別寄稿が掲載され収束しました。
  
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大阪スポーツ新聞掲載記事について(平成21年6月3日)

 平成18年11月28日掲載記事「アンチエイジングU、血管編C」において、満尾氏(満尾クリニック院長)の発言としてアルミニウムを体に有害と述べ、毒性をほとんど示さないアルミニウムを水銀、カドミウム、鉛、ヒ素と同列に扱っており、結果として、読者に誤った情報を与え、社会に無用の不安と誤解を与えました。
 当協議会では、大阪新聞と満尾氏に対してPRTR制度やWHOの関連資料を添付し、抗議文を送付しました。
 これに対して、満尾氏から電話と紙面により、当方の抗議に対し一定の理解を示す回答がありました。
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日刊工業新聞寄稿記事について(平成21年6月3日)

 平成19年10月10日の寄稿記事の中に、「過去にアルツハイマー病との関係で、アルミの調理器具が減った…」との記述がありました。

 当協議会では編集者と面談し、読者に誤解を与えるため訂正を要求しました。
 その結果、専門家に論文を寄稿してもらい、その中でアルミニウムとアルツハイマ−病の正しい情報を記述してもらう、ことで合意しました。
 平成20年2月19、20、21日の日刊工業新聞に田平先生(当時 国立長寿医療センター研究所長)の記事が掲載され収束しました。
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夕刊フジ掲載記事について(平成21年6月3日)

  平成19年9月6日掲載の「ココロとカラダ」の欄でアルミニウムを重金属と同列に論じ、また、アルミニウムはアルツハイマーとの関連が指摘されている、との記述がありました。

 毒性をほとんど示さないアルミニウムを水銀、カドミウム、鉛、ヒ素と同列に扱っており、また、アルミニウムがアルツハイマー病の主たる原因ではない、とする近年の研究状況が反映されておらず、結果として、読者に誤った情報を与え、社会に無用の不安と誤解を与えました。
 この記事について当協会では、夕刊フジに対し、WHOや第一線の専門家の見解等の関連資料を添付して、抗議文を送付しましたが、夕刊フジからの回答は得られませんでした。
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雑誌「R25」 No.217(リクルート発行)掲載記事について(平成21年6月3日)

 平成20年11月20日の雑誌「R25」 No.217(リクルート発行)掲載記事「血液検査より正確!?“毛髪ミネラル検査”を体験」において、アルミニウムを有害ミネラルと記述した記事が掲載されました。

  この記事について、当協議会ではリクルートR25編集部に対して抗議文を送付、また面談し、掲載記事について内容の訂正を要求しました。
  これに対しリクルートR25編集部より、WEBサイトに掲載のバックナンバー当該記事の内容を一部修正し、有害ミネラルとして列記されていた「アルミニウム」の文言を削除する、との回答がありました。後日、WEBサイト掲載バックナンバー当該記事内容が修正されていることを確認致しました。
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NIKKEIプラス1(日経新聞土曜版)掲載記事について(平成18年8月25日)

 6月10日のNIKKEIプラス1(くらし知っ得REAL SIMPLE)に掲載されました「デトックスの基礎知識」の中に、「毒素の医学的な定義は、有害な重金属や化学物質のことで水銀、カドミウム、鉛、アルミニウム、ヒ素が五大有害重金属と呼ばれる。」という記述がありました。
 この記事においては、アルミニウムを有害金属として取り扱っており、毒性をほとんど示さないアルミニウムを水銀、カドミウム、鉛、ヒ素と同列に扱っております。また、軽金属であるアルミニウムを重金属として括っております。結果として、読者に誤った情報を与え、社会に無用の不安と誤解を与えました。

 この記事について、当協議会では日本経済新聞に対し、面談にて、WHO報告やPRTR制度等を根拠として誤りを具体的に指摘した上で、訂正を求めました。

 日本経済新聞の説明は、
  • アルミニウムを懸念する見方が幅広く存在すること、100%無害であるという証明はないことから訂正はできない。ただし、「アルミニウムと健康」連絡協議会の見解も理解できるので、後日、アルミニウムを取り上げる際、協議会の見解も考慮する、
 というものでした。
 訂正に応じられないのは不満足ですが、日本経済新聞が以下の対応をすることで合意し、7月22日の掲載記事を確認しましたので、収束することといたしました。

  1. 後日、アルミニウムについて記事にする際、「アルミニウムと健康」連絡協議会の見解を考慮する。
 なお、「五大有害重金属」という表現の出所を日本経済新聞に確認した結果、デトックス関連分野で一定の権威をもつAACクリニック銀座院長上符正志氏の認識を伝えた、との回答でした。
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書籍「経皮毒が脳をダメにする」におけるアルミニウムの記述について(平成18年2月27日)

 2005年6月発行の「経皮毒が脳をダメにする」(日東書院、竹内久米司氏著)の中で、アルミニウムについて、最近のアルツハイマー病研究の状況を反映せず、アルミニウムがアルツハイマー病を引き起こすとの仮説がでていた当時の状況に基づき記述されており、読者に誤解を与えると判断される部分があったため、日東書院に以下の要旨の抗議文を送付しました。
  • 問題の記述【1】
    「その後動物実験によって、アルミニウム化合物を脳内に注入すると、てんかんを発症することや、脳内にアルツハイマー病に認められる神経原線維変化が起こることがわかりました。」
  • 当協議会の指摘
    記述されておりますように、1965年、ヴィスニエフスキー博士が、ウサギにアルミニウムを注射すると脳に神経原線維変化のような繊維ができた、と報告しました。後に、電子顕微鏡が普及すると、この繊維はタウ蛋白ではなく別の物質でできていること、つまりアルツハイマー病の神経原線維変化ではないことがわかりました。しかし、この報告のインパクトは大きく、多くの人がアルミニウムとの関連を研究する契機になりました。このことは、ヴィスニエフスキー博士自身が1998年の当協議会のフォーラムで説明しております。(フォーラム講演録添付)
    また、アメリカアルツハイマー病協会も同様に説明しております。(資料添付)

  • 問題の記述【2】
    「現在のところ、疫学調査や透析脳症などの状況から、アルミニウムはアルツハイマー病の危険因子であると判断されています。」
  • 当協議会の指摘
    1970年代以降、腎不全患者に人工透析が施されるようになりましたが、人工透析を受けた患者が痴呆症になる問題が発生しました。当時、水道水を透析液に使う場合があり、水道水中のアルミニウムが蓄積し、痴呆症を発症しました。但し、老人斑や神経原線維変化はなく、透析脳症はアルツハイマー病とは違うことがわかりました。この経緯は当協議会作成の「アルミニウムと健康」にまとめられております。(資料添付)
     アルツハイマー病の発症機構は未だ全てが明らかになっていないのが現状ですが、WHOの専門家グループは「アルツハイマー病に対して、アルミニウムが関与する証拠はない」(資料添付)と結論しており、また、当会主催のフォーラムでも世界的に著名な研究者がアルミニウムとアルツハイマー病の関係を否定的に説明しております。(資料添付)
     また、米国アルツハイマー病協会のホームページでも同様に扱われております。(前述資料)

  • 問題の記述【3】
    「医学雑誌でもない“軽金属”という雑誌に掲載され、結論がぼやかされてしまったのです。」
  • 当協議会の指摘
    “軽金属”は、社団法人軽金属学会の機関誌。東京大学衛生学教室の和田先生達が、1986年にアルミニウムの毒性に関する社会的関心を背景として、アルミニウム毒性に関するその時点までの多くの論文をまとめ、毒性に関する正しい理解を得る目的で執筆されたもので(調査文献数65)、公平かつ客観的なものです。
これに対して、著者の竹内久米司氏より以下の要旨の回答をいただきました。

  • アルミニウムがアルツハイマーの直接原因であるとは言い切れないが、100%安全だという主張も納得できない点もあり、結論は出ていないが100%安全を証明することは難しいので、せめて、アルミニウムの鍋はやめましょうとの消費者の立場から考えて執筆した。
  • 指摘については、問題点について理解を深める機会になった。
  • サイエンスの立場で再度精査し見直しをしたい。増版の機会には、指摘部分を考慮し客観的な立場で加筆修正を加えたい。
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毎日放送「みかさつかさ」放映について (平成17年12月8日、当会ニュースリリースより)

 毎日放送「みかさつかさ」のデトックス特集(平成17年8/20放映)において、使用されたフリップに、「体内に入る毒素はコレ」として、水銀、鉛、ヒ素、カドミウム、等と並べてアルミニウムが表示され、また別のフリップには「注目すべき有害ミネラル」として前記同様にアルミニウムが表示されており、出演者の発言にも“アルミニウム”があった。
 この番組では、金属の中では毒性をほとんど示さないアルミニウムを水銀、鉛、等と同列に有害金属として扱っており、このような内容が放映されたことにより、視聴者に誤った情報を与え、社会に無用の不安と誤解を与えた。
 そこで当会は番組を製作したMBS企画に抗議文を送付し、面談にて資料に基づき間違いを具体的に指摘した上で、訂正報道を求めた。
 毎日放送の結論は、アルミがWHO等の公的機関で有害物質として扱われていないこと等当会の主張内容は理解するが、取材先のアルミについての見解は否定できない、訂正報道はできない、コメントを毎日放送のホームページに掲載する、というものであった。
 訂正報道に応じられないのは不満足であるが、以下のホームページ掲載内容について合意を得たので収束することとした。

毎日放送ホームページ掲載文
 “8月20日放送分のデトックス(解毒)特集で、水銀、ヒ素と同様に「アルミニウム」についても、グラフ上で「有害ミネラル」と表示しました。毛髪検査を行った医学研究所の調査結果を引用したものですが、「アルミニウム」につきましては、公的機関が規定する「有害金属」には含まれておらず、有害かどうかは現段階では必ずしも確認されていません。
 ただ、通常の生活では、WHOが定める許容摂取量を超える可能性はきわめて低いと考えられます。”
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テレビ東京「WBS」放映について (平成17年7月27日当会ニュースリリースより)

 4月23日に放映されましたテレビ東京「ワールドビジネスサテライト(WBS)」の中のデトックスの紹介で、「大森クリニック」の大森院長の発言の中に「有害金属・・・水銀、鉛、アルミ、PCB」云々があり、なおかつ画面に同様の文字表示がありました。
 この番組においては、アルミニウムを有害金属として取り扱っており、金属の中では毒性をほとんど示さないアルミニウムを水銀、鉛、と同列に扱っており、このような内容が放映されたことにより、視聴者に誤った情報を与え、社会に無用の不安と誤解を与えました。

 この放映について、当協議会ではテレビ東京に対し、面談にて資料に基づき間違いを具体的に指摘した上で、訂正報道を求めました。

 テレビ東京の説明は、
  • アルミを有害金属として決め付ける意図はない。番組全体の流れをみれば判る。
  • 「アルミニウムと健康」連絡協議会の主張内容は理解する。
  • 訂正報道はできない。
というものでした。
 訂正報道に応じられないのは不満足ですが、以下の合意を得ましたので、収束することと致しました。

  1. 今後、アルミと健康についての番組を製作する場合は、「アルミニウムと健康」連絡協議会を取材する。一方的な意見を紹介するのではなく、両論を併記する。
  2. このことをテレビ東京報道局内に周知させる。
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産経新聞社記事について(平成16年4月21日)

 平成16年1月7日『産経新聞』中の記事「体のミネラル測定します」において、アルミニウムを水銀、鉛、ヒ素、カドミウムと同列の有害なミネラルとして取り扱っていることに対し、これまで幾度か文書と面談により、問題点を指摘して産経新聞社に記事の訂正と見解を求めてきました。
 しかしながら、同社では「面談時に回答した通り」とするばかりで、当方からの事実誤認の指摘(根拠とする資料の誤認)に対する見解は何ら示しておりません。それにもかかわらず「誠意を持って対応している」とする同社の姿勢は全く理解できません。

 ここに当会と産経新聞社とのやりとりの経緯を以下に示し、各位に当会の見解を公開するものです。
経緯  
平成16年1月7日 「体のミネラル測定します」において、毛髪検査を行っている「ら・べるびぃ(株)」を紹介。見出しに「有害な水銀、アルミニウム・・・必須のナトリウム、カリウム・・・」とし、アルミニウムを水銀、鉛、ヒ素、カドミウムと同列に有害ミネラルと分類した表を掲載した。
1月7日 この記事に関して文化部次長と記者と面談し、あわせて次の理由で訂正記事掲載を求める文書を手渡した。
アルミニウムを有害金属にすることは誤りで、読者の判断を間違わせる記事である。すなわち、健康や生態系に有害なおそれのある物質に適用されるPRTR制度(Pollutant Release and Transfer Register)には水銀、ヒ素、カドミウム、鉛はあるが、アルミニウムを有害な物質としてリストにあげておらず、また世界保健機構(WHO)でも有害物質としていない。
文化部次長および記者はこの時、アルミニウムが有害と判断した理由として<アルミニウムを発癌性ありとしたIARC(International Agency for Research on Cancer:国際癌研究機関)の翻訳資料>を提示し、単にインタビューのみではなく裏づけは取っていると断言した。
1月15日 代表取締役社長清原氏に正式回答を求める文書を送付した。
1月26日 文化部長より面談時と同様に「“訂正する必要ない記事”の判断と同じ」と文書回答があった。
2月 2日 文化部部長と面談。1月7日産経新聞から提出されたアルミニウムを有害ミネラルとする裏付け資料「アルミニウムを発癌性ありとしたIARC翻訳資料」について、IARCにはこのような資料がないことを指摘した。この資料について産経新聞も調査し、2月6日までに回答するとの返事があった。
2月 9日 文化部次長から電話にて回答があった。
(1)資料は取材先の「ら・べるびぃ(株)」から入手した。
(2)IARCのホームページにAluminium Productionとあり、アルミニウム製品は発癌性がある。
この回答はとても誠実な回答とは考えられない。理由は
(1) 1/7には単に「ら・べるびぃ(株)」のインタビューのみではなく、記者は裏付けを取って記事を書いたと断言した。
ところが裏付け資料は「ら・べるびぃ(株)」が提供した誤訳資料であった。
(2) 又、IARCの記載内容を調べることもせず、「ら・べるびぃ(株)」が誤訳した
Aluminium Productionをそのままアルミニウム製品と認識し、再度回答している。
(参考)
IARCの言うAluminium Production とはアルミニウム生産(製錬)であり、1950年代から1960年代の間に、製錬の製造工程で使用されたタールやベンゼン等により、プラントで働くワーカーの癌発生率が高いことをレポートした内容であり、アルミニウム製品とは全く異なる。
2月10日 代表取締役社長清原氏宛に、誠意のない対応について強く遺憾の意を表明し、再度、見解と訂正記事の掲載を求める文書を送付した。
3月25日 2月10日付け送付文書の回答がないため、これまでの経緯を示し、産経新聞社の見解を求める文書を改めて代表取締役社長清原氏宛に送付した。
4月1日 産経新聞社から誠意を持って対応しているとの文書があったものの、当会から求めている見解の提示はなかった。
 以上のような経緯ですが、誤った入手情報をそのまま使用し、アルミニウムを有害ミネラルとして記事を掲載したのにもかかわらず、当会からの申し入れに誠意のある対応をしていただいておりません。

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文藝春秋社『週刊文春』記事について	(平成16年4月7日)

 先般発行された『週刊文春』10月16日号136ページ掲載の「私が、答えます」において、筆者・竹内久美子氏は、アルミニウムがアルツハイマー病の原因の1つであるとしております。
 これは、公的機関の見解や最新の研究動向を踏まえていない、一部の仮説のみに依拠した偏った記事であり、当協議会では文藝春秋社に対し、問題箇所を具体的に指摘した上で、記事訂正の申し入れを行いました。
 文藝春秋社側からは、「重大な事実誤認とは考えず、訂正は行なわない」との回答であり、当協議会としては全く満足できるものではありませんが、数度の交渉を行なう中で以下の確約を得ましたので、収束することと致しました。
1.公正さを欠いたかもしれないとの執筆者の言葉に基づき、読者欄に当会の意見を掲載する。(3月11日号に掲載)
2.今後アルミニウムと健康に関する記事を掲載する場合は、当会を取材するなど、偏ることなく幅広く取材を行う。
 また、当該記事の質問者が読んだという医学書『ホームメディカル 家庭医学大百科』(永岡書店発行)に対して、当協議会より問題点を指摘し訂正を求めたところ、改訂時に訂正するとの回答を得ておりますので、併せて報告申し上げます。


 『週刊文春』記事の問題点と当協議会の見解は、以下の通りです。
1. アルミニウムとアルツハイマー病の発症機構について、「最も肝心な点に関わっている」、「アルミニウムがβアミロイドタンパクを多量体にし、神経細胞を殺す。」と、アルミニウムとの因果関係を断定していること。WHO(世界保健機構)の専門家グループが「アルツハイマー病に対して、アルミニウムが関与する証拠はない」と結論しているなど、公的機関では両者の関係を否定しております。
当協議会はこれをより正確な情報と考えております。
2. アルミニウムの調理器具における、酸性の強い食品に対する使用や長時間の保管などの注意事項を、健康問題の文脈の中で取り上げていること。
アルミ製鍋などにはこのような注意書が付いておりますが、変色や腐食防止の観点(製品を長持ちさせる)から付けることが規定されているもので、健康上の理由ではありません。
著者は知らなかったとし、自説展開のため、正確な情報を得ようともせず、思い込みをそのままを記述したものと思われます。
3. 水道水中アルミニウム濃度とアルツハイマー病の発症率の関係を調べた疫学調査結果を、確立された説として紹介していること。
当協議会は「疫学的手法に問題があり、この疫学調査によりアルミニウムとアルツハイマー病との関連性を判断することは出来ない」としている WHOの公式見解を、より正確な情報と判断しています。
4. 水道水中のアルミニウム濃度基準0.2mgについて、健康問題と絡めて紹介していること。
WHOも日本の水道法も、快適性(濁り)の観点から水道水中の基準を定めており、健康上の理由から決められている基準値ではありません。
著者はこれも知らなかったとし、自説展開のため、正確な情報を得ようともせず、思い込みを根拠に記述したものと思われます。

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「未来材料」2003年第7号「潤滑剤のいまむかし」(株)エヌ・ティ・エス発行
 
内容   脱臭剤は体内にアルミニウム金属が蓄積する最大の原因となっている。また、アルミニウムは脳に蓄積するとアルツハイマー病を引き起こすと記載した。
対応 編集人と執筆者に問題箇所を指摘し、科学的根拠を求めたのに応じて、9月号で「お詫びと訂正」を掲載した。
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「リンカラン」2003年Vol.2「自然療法「ホメオパシー」のふしぎ」(株)ソニーマガジンズ発行
    
内容   アルミ缶のアルミが体に溜り、頭がぼけ、忘れるのはアルミのせいとしている。
対応 編集人と執筆者に問題箇所を指摘し、科学的根拠を求めた。回答の遅れはあったが、平成16年2月16日発行予定のVol.4に訂正文を掲載するとの文書を受けた(10月20日)。
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「家庭医学大百科」(株)永岡書店発行
内容   老人のぼけの箇所で「微量金属説」の説明で、アルミニウムがアルツハイマー病を引き起こすものとされた古い情報を掲載している。
対応 編集人に問題箇所を指摘し、訂正を求めた(11月21日)結果、訂正するとの回答とその訂正文のFAXを受けた(12月21日)。
(注)本件は週刊文春の質問者が見たという週刊文春側からの情報をもとに「家庭医学大百科」の記事内容の確認をしたもの。
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「週刊文春」10月16日号「わたしが答えます」(株)文芸春秋社発行
内容   水道水中のアルミニウムとアルツハイマー病との関係に関する疫学調査を引用し、アルミニウムがアルツハイマー病と関係する説明した後、アルミニウムがβアミロイドたんぱくを多量体化するなどの仮説を断定的なこととして取り扱っている。最後にアルミ鍋をやめることを勧めている。
対応 継続中
経緯  
月 日 内 容
2003年10月16日 編集人と執筆者に問題箇所に対する見解と訂正を求める書簡を送付した。
11月3日 当会からの抗議に対して同意しないとの回答があった。
11月14日 面談し、当会の見解を説明し再度訂正を申し入れる文書を手渡した。
11月25日 事実誤認のような重大な間違いを犯している認識はなく訂正に応じられないとの回答があった。
12月12日 面談し、週刊文春側の文書に対して回答するとともに訂正を申し入れる文書を手渡した。
2004年1月6日 家庭医大百科の訂正連絡文を送付した。
1月23日 読者に当会の見解並びに最新情報を伝えるべく、読者欄への投稿記事を持参した。
2月13日 投稿記事を短かくし、再度送付した。
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「はつらつ元気」2004年1月号「腸の毒素排出ダイエット」(株)芸文社発行
内容   アルミニウムを水銀、ヒ素、カドミウムなどと同列に有害金属と分類している。アルミニウムが有害金属とした理由に痴呆症(アルツハイマー病)などを根拠にしている。
対応 発行人(芸文社)に対して訂正を求める文書を送付したが、連絡がとれないため、編集人「有限会社リバービード」に改めて文章を送付、回答を求めている(2月13日現在)。
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2004年1月7日産経新聞「体のミネラル測定します」
内容   毛髪検査を行っている「ら・べるびぃ」を紹介。見出しに「有害な水銀、アルミニウム・・・必須のナトリウム、カリウム・・・」とし、アルミニウムを水銀、鉛、ヒ素、カドミウムと同列に有害ミネラルと分類した表を掲載している。
対応 継続中
経緯  
月 日 内 容
2004年1月7日 1月7日、文化部次長と執筆者と面談し、あわせて文書を手渡し訂正記事の掲載を求めたが、取材先の見解を紹介したものであり、訂正には及ばないとの見解であった。
1月15日
代表取締役社長清原氏に正式回答を求める文書を送付した。
1月26日 文化部部長より返答。「1月7日面談時の通り」とし、具体的な見解や根拠の提示はなかった。
2月2日
文化部部長と面談。1月7日産経新聞から提出されたアルミニウムを有害ミネラルとする裏付け資料「アルミニウムを発癌性ありとしたIARC翻訳資料」について、IARCにはこのような資料がないことを指摘した。この資料について産経新聞も調査し、2月6日までに回答するとの返事があった。
2月9日 文化部次長から電話を受けるが、資料は取材先の「ら・べるびぃ(株)」から入手したとのこと。また、2月2日、当会より「IARCがアルミニウム製品に発癌性ありとする資料は見あたらない」ことを指摘して、その根拠として持参したIARCホームページ資料をみて、「Aluminium Production」が記載されているので、これをアルミニウム製品が発癌性あり(「Aluminium Production」はアルミニウム製品とは全く異なります)とするなど、独自の調査は何ら行っていない模様であった。
2月10日 代表取締役社長清原氏宛に、誠意のない対応について強く遺憾の意を表明し、再度、見解と訂正記事の掲載を求める文書を送付した。
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「ら・べるびぃ(株)」
内容   産経新聞に掲載の原因となった「ら・べるびぃ(株)」は、毛髪検査対象にアルミニウムを水銀、鉛、ヒ素、カドミウムと等列の有害ミネラルと位置づけている
対応 継続中
経緯  
月 日 内 容
2004年1月8日
訪問し、アルミニウムを有害ミネラルとした理由を求めるとともに、営業活動においてアルミニウムを有害ミネラルとして扱わないよう求めたが、同意は得られなかった。
1月16日 文書にて改めて上記申し入れを行った。
1月26日 古い情報を紹介したホームページの修正は応じるが、アルミニウムを有害金属から外すことには同意しないとの文書回答があった。(2/2にホームページ修正を確認)
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