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見えないところで活躍するアルミ箔:アルミ箔複合材の廃棄物から電気エネルギー生成

 ジュースや清涼飲料の紙パック、食品・医薬品のパッケージなど、各種の包装材に使われているアルミ箔からアルミニウムを分離回収し、これを水酸化ナトリウムと反応させて水素を発生させ、燃料電池に活用するという画期的な研究が進められています。
 活動しているのは、富山・石川・福井の北陸3県の企業や学校・行政・市民団体などで結成された「北陸グリーンエネルギー研究会」。
 すでにアルミ箔複合材廃棄物の自動選別装置や、廃棄物から高純度のアルミニウムを分離する装置も完成。さらに、分離したアルミと反応液で水素を発生させるプロトタイプのカートリッジ型装置から、水素を燃料電池に送って発電した電気エネルギーを自動車の走行や照明に利用する実験も、同会の主催で活発に行われています。

試作装置で軽トラックを走らせる

 研究会の中心的存在であるトナミ運輸(株)は2009年8月、試作した水素発生装置と燃料電池を軽トラックに搭載して実際に走行する公開実験を行いました。この実験では、回収アルミニウム約500グラムを反応させることにより、20分間以上の走行が可能でした。[写真1.2]

LED電球でイルミネーションやライトアップ

 2009年12月には、富山市・金沢市・福井市で同時にイルミネーション点灯デモンストレーションを実施。
 富山市役所の前では、「環境モデル都市富山」のデザインマークをLED(発光ダイオード)電球で描いたパネルが設置され、夕刻から3時間にわたり点灯。石川県の金沢21世紀美術館の敷地内では、「21」の文字を無数のLEDで浮かび上がらせました。福井駅東口では、LEDで縁取った福井県のシンボルである「恐竜」を点灯しました。[写真3〜6]
 2010年8月には、JR福井駅西口広場で肉食恐竜フクイラプトルの2分の1レプリカを、100ワットのLED電球7個を使って照らすライトアップ・デモンストレーションを実施。「ジュースなどの250ミリリットル入り紙パック100個で100ワット電球を1時間点灯できます」とアピールしました。[写真7]
 2010年9月には、石川県金沢市のしいの木迎賓館にて、環境保護をPRする人形を、アルミ300グラムを使って5時間ライトアップ。[写真8]

有名な“おわら風の盆”会場でぼんぼりを灯す

 2010年9月には、富山市八尾町の伝統行事“おわら風の盆”会場で、約900枚の紙パックから再生した540グラムのアルミを使い、6基のぼんぼりでLEDのあかりを9時間点灯しました。[写真9]

病院入り口にエコ電源による融雪マットを設置

 2010年12月下旬、北陸3県の済生会病院で、玄関前にエコ電源を使った融雪マットを設置する実験を行いました。アルミ系廃棄物を利用した水素燃料電池からの電源で発熱するマットを設置、融雪効果を確認しました。[写真10]

アルミ箔包装材廃棄物の回収とエネルギー利用のしくみ

1.一般廃棄物と産業廃棄物を回収・利用

 燃料電池用の水素生成に利用するアルミニウムは、各種パッケージとして使用済みのアルミ箔複合材(一般廃棄物)と、食品・医薬品等の製造過程で排出される産業廃棄物としてのアルミ箔複合材です。
 北陸グリーンエネルギー研究会では、会員である住民組織と協力して各地に専用の「回収ボックス」を設置し、飲料紙パックの回収を呼びかけています。一方、アルミ箔紙パックのメーカー、飲料メーカーなどから出た産業廃棄物も役立てられています。[写真11〜13]

2.「乾留炉」で廃棄物からアルミを分離

 北陸グリーンエネルギー研究会では、集めたアルミ系廃棄物を自動選別機で分別、独自開発した「乾留炉」でアルミを高純度で分離することに成功しました。炉をゆっくり回転させながら、炉内温度450〜500度℃でアルミに付着している樹脂や紙を除去し、薄膜・多孔質で反応性が高いアルミニウムを分離抽出します。同研究会によると、250ミリリットル入りのアルミ箔紙パック1個当たり0.6gのアルミが取り出せるとのことです。[写真14.15]

3.カートリッジ型水素発生装置で実験

 公開実験やデモンストレーションには、多孔質のアルミニウムに水酸化ナトリウムを滴下させて、アルミン酸ナトリウム(NaAl(OH)4)と水素(H2)を発生させる、カートリッジ型の水素発生装置が使われています。常圧のもと、オンデマンドで稼働させることができる安全性の高い装置です。[写真16.17]
 この方式により、理論的にはアルミニウム9kgで水素1kgが発生。水素1kgを燃料電池に供給して10kWhの電力を生産することができます。
◎取材協力:北陸グリーンエネルギー研究会/トナミ運輸株式会社/株式会社テクノバ
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