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見えないところで活躍するアルミ箔:電気配線のノイズ対策にアルミ箔が活躍

電線(電力線・通信線)を電流が通るときに発生する電界や磁界が、その配線の近くにある電子機器や別の通信配線などに電気的なノイズとして影響を与えることがあります。
こうした電気配線に伴うノイズ対策に活躍しているのが、電気コードの外側を覆い、電流に伴う電界や磁界を遮蔽する“シールド材”で、この電磁シールドの素材に「アルミ箔複合材」が有効に活用されています。

配線用電材メーカーの大手、興和化成株式会社(本社・愛知県名古屋市瑞穂区)は1998年にこの電磁シールド用資材を開発、2000年から「ノイズプロテクトチューブ」という商品名で生産・販売しています。2010年2月には、ノイズ対策効果をより高める厚手のアルミ箔を使った新製品も発売しました。
同社に、この電磁シールド材の効果、用途について話を聞きました。

不明部分が多い電流によるノイズ発生メカニズム

電流によって生じる電界や磁界が電子回路に与えるノイズ発生メカニズムについては、未だ解明されていない部分が多い。したがって、電子制御でシステムを稼働させる工場や、電車の信号機などに情報を送る車両交通システムの電気配線においては、安全を期して予め十分な電磁シールド配線が施工されるようになっている。
多くのコードを同じルートに配線する場合、これを束ねるさまざまな形態のチューブなどの結束材が使われている。興和化成のノイズプロテクトチューブはこの素材にアルミ箔に難燃性樹脂をラミネートした複合剤を採用し、電磁シールド効果を持たせた。

チューブ内に磁気を封じ込めアースで除去

被覆素材にアルミ箔を使うことにより、磁気をチューブの内側に封じ込め、チューブと一体化して這わせてあるアース線(平編みスズメッキ銅線)を通して除去する。
使い方は、ノイズプロテクトチューブのアルミ箔が見えている面を内側にし、配線コードを包むようにして束ね固定していく。固定の仕方は、ボタン状のスナップ、マジックテープで止める方法の他、専用工具を使ってスライドさせながら止める式のものがあり、配線の状況に応じて選択する。
使用しているアルミ箔の厚さは、各タイプとも10μm(マイクロメートル/1μm=1000分の1 ミリ)。なお、最近開発したシールド効果をより高めた新製品では80μm を使用している。(後述)

アルミの電磁シールド効果を活用

被覆素材にアルミ箔を採用したのは、「電流による電界・磁界の拡散を防ぐアルミニウムの特性からです。高いノイズ減衰率を実現する電磁シールド効果の他、配線コードにフィットする作業性の良さ、ハサミで簡単にカットできる加工性、軽量性、材料コスト面での経済性など、あらゆる点でアルミ箔が最適だった」と、同社では説明している。
製品化の過程では、「アルミ箔と樹脂との接着方法、コードを束ねて固定する嵌合(かんごう)部の加工に苦心した」とのこと。現在はフラットケーブルや各種のリボンケーブルに対応する、平らな形状のチューブもラインアップしている。
製品は、各タイプとも25 メートルの長さのシートをボビンに巻き取り、段ボール製の外箱の中に収納した形態になっている。サイズはチューブ状に結束したときの内径が10mmから100mmまで小刻みな型番が用意されている。価格は、803 円〜2541 円(税込)。
写真は、手前からマジックタイプ、スナップタイプ(2種)、スライドロックタイプ。
開口部から必要な長さを引き出しカットして使用する。

アルミ箔使用で大幅にノイズを除去

ノイズ除去(減衰)の効果は、いずれのタイプでも周波数100 メガヘルツ時の電界減衰率が約110デシベル、磁界減衰率では100 メガヘルツの場合で60 デシベル以下、1000 メガヘルツで80デシベル以下となっており、実用上十分なノイズ除去効果を発揮している(注1)。(外部テスト機関の測定値グラフ参照)
(注1)ノイズ減衰特性=ノイズ防止機器の減衰特性は、防止機器を通過する前後のノイズのレベルを比較して、その比を減衰率としてデシベル(dB)で表示しています。(同社説明資料より)
【ノイズプロテクトチューブ・マジックタイプ 減衰率測定】
さらに、ユーザーの工作機械メーカーから、よりノイズプロテクト効果の高い製品開発の要望があり、厚さ80μm のアルミ箔を使用した製品を新たに開発、2010 年2 月から3 タイプを発売した。同製品は、100 メガヘルツで約80 デシベルの電界減衰率を実現、従来品比で約30%性能を向上させ、磁界の減衰率でも大幅な改善を図った。
スライドロックタイプ製品の使用部分見本
(手前に湾曲しているのはアース線)

80μm 厚のアルミ箔を採用した新製品の見本
スナップタイプ製品の使用部分見本

電子機器・工作機械などの生産設備やインフラ設備に納入

ノイズプロテクトチューブの納入先は、自動車製造や半導体製造用の工作機械メーカー、各種制御機器メーカー、鉄道車両メーカー、インフラ整備業者など多岐にわたっている。工作機械では機械制御用通信線の保護、鉄道車両関係では信号や機器の誤作動防止対策などの目的で、ノイズプロテクトチューブが使用されている。

「電磁ノイズは今も未解決分野」

興和化成では、「ノイズの発生に苦慮していたユーザーが、当社のノイズプロテクトチューブを使うことで問題が解決できたと聞いています。電線が元で発生するノイズの問題は、いろいろな産業分野で思わぬトラブルの原因になっており、現在もなお未解明部分の多い分野。常に取引先の個別的なノイズ問題にケースバイケースで対応し、解決策としてノイズプロテクトチューブの有効活用を提案していきたいと考えています。」と話している。
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