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こぼれ話・耳より情報:渡辺五大・アルミ箔による“空間変容アート”の世界-1

渡辺五大氏インタビュー
―― 経歴を拝見すると、2001年に「第4回岡本太郎記念芸術大賞展」で入選されていますが、どんな作品だったのですか。
渡辺 砂鉄と磁石を使った鋳鉄製の彫刻作品(埋め合わせるもの#2−磁界)です。単体の金属彫刻で、現在のアルミ箔を使用したプロジェクトの礎になった仕事の一つですね。既に当時から単体の彫刻の枠にとどまるつもりはなく、この作品も個展では室内空間をアルミシートで覆って、その空間に作品を点在させました。
―― 最近は、アルミ箔による大型の空間制作に意欲的に取り組んでおられますが、その狙いは?
渡辺 当初はアルミシート(蒸着フィルム)で壁、天井などを覆い、非日常の隔絶された空間を作ることに挑んでいました。しかしアルミ箔によって、シートでカバーするのとは全く違う表現が可能になったのです。構造物の下地の質感を残しながら銀色の造形へと生まれ変わらせ、フロッタージュ効果を出すことができた。私のやろうと思っていたことが、アルミ箔との出会いによって実現できたのは、本当に幸運でした。
東京芸術大学美術学部彫刻科金属研究室にて。
制作途中の学生・教員共同制作作品の前で。
―― 寺のお堂などをアルミ箔で覆ってしまうという発想は、どこから生まれたのですか。
渡辺 私の探求テーマに、「日常の生活の中で埋没され、隠され、弱められている人間本来の感受性や、人智を越えたものに対する感情を、いかに贖(あがな)い、満たし回復する時間をつくるか」ということがあります。寺院という宗教建築の空間には元々、人間にとって日常とは異次元の荘厳さがあり、その宗教的な祭祀空間をさらに“特別な場所”へと変貌させて提供したいという発想でしょうか。外側だけでなく内部もアルミ箔で覆うのは、外側を保護しつつ内側からも守るという、心理的な意識を表現したものです。
―― アルミ箔はどのようにして張りつけるのですか? 後で剥がすのが大変では?
渡辺 布海苔(ふのり)で接着しています。アルミ箔を張りつけるには十分な接着力がありますし、終わった後は水分を与えれば簡単に剥がすことができます。
―― これだけの大型作品になると、人に手伝ってもらわないとかなり難しいですね。
渡辺 本当にそうです。良き後輩達である芸大、美大の学生たちが手伝ってくれるおかげで成り立っているようなものですね。鎌倉の「銀燦堂」のときは、地元の主婦の方々や子供さんたちにも大勢ボランティアで協力していただきました。
―― 鎌倉でのインスタレーションの反響はいかがでしたか?
渡辺 見た人にそれほど感想を聞いたわけではありませんが、長谷寺のスタッフの方々からは、記録的な人出になったとのお言葉を頂きました。「すごい」「驚いた」という感想や、「感動した」という声もあったそうで、勇気づけられます。
渡辺五大氏の主な活動歴
略歴
1967年 神奈川県生まれ
1992年 東京芸術大学大学院美術研究科彫刻専攻修了
1996
〜1998年
文化庁派遣芸術家在外研修員としてニューヨークに滞在
 
主な活動歴
2005年 「鎌倉銀閣:渡辺五大+景山健 2人展」 建長寺塔頭華蔵院/北鎌倉・神奈川
2006年 個展「再生のいかだ」メタルアートミュージアム/印旛沼・千葉
(以後毎年)「光のおばけ煙突プロジェクト」東京芸術センター前広場/北千住・東京
2007年 個展「Great Good Fortune大吉」 Galerie SOL/東京
個展「The Premium Room特別室」 Recto Verso Gallery/東京
2008年 「彫刻―林間学校」メルシャン軽井沢美術館/長野
「AOBA−ART」美しが丘第2公園/横浜市青葉区/神奈川
「銀燦堂:長谷寺×渡辺五大インスタレーション展」/長谷寺/鎌倉・神奈川
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