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見えないところで活躍するアルミ箔:IH接着・はく離工法で、材料特性を発揮

 建築物の内装や間仕切りの施工で、例えば支柱と板などを接合する際の一般的なやり方は、通常は接着剤を塗布して乾燥させたり、くぎ打ちまたはビスを挿入して固定するなどの方法です。これに対して、アルミ箔の両面に接着用樹脂フィルムを貼り合わせたシートを2つの部材の接着面に挿入し、外側から電磁誘導装置で磁力線を照射することで部材同士を接合させるユニークな工法があります。しかもこの工法で接合された部材は、再度磁力線を当てて接着樹脂を溶かすことにより、容易にはがすことができ、解体や資材再利用にも有利という特長があります。
 IH接着・解体工法と名付けられたこの工法の、開発から関係加工器具の実用化などを推進している、合資会社ブラウニー、有限会社サイヒット両社の代表、鈴木邦彦氏にこのユニークな技術と、実用化の現状などについてお話をうかがいました。
IH接着・解体工法(ホットメルト工法)とは

接着とはく離の仕組みを簡単に説明すると、次のようになります。

 接着用アルミ箔・樹脂シート(接合シート)の断面構造

接着用アルミ箔・樹脂シート(接合シート)の断面構造

ホットメルト樹脂とは、熱を加えると溶ける「熱可塑性」という性質をもつプラスチック素材で、主にポリアミド系樹脂が使われる。

 接着の方法
接着の方法

模式図で説明すると上図のようになります。
(1)接合したい2つの対象物(A・B)の合わせ面に適当なサイズに切った接合シートを挟み込む形で固定。
(2)対象物Bの上から、その下にある接合シートの部分に、専用の小型電磁誘導装置(IH機)を使って磁力線を当てると、接合シート基材のアルミ箔が電気抵抗で熱を発生、両面の樹脂(接着剤)が溶けて対象物A・Bがぴったりと貼り合わされる。
※IH機は、条件により異なるが0.1〜9秒間程度の磁力線照射時間で、150〜450℃以上に加熱できるように設計されている。


 はく離の方法
上の方法で接合した2つの部材を解体するときは、接合部の上からIH機を使ってもう一度磁力線を当てると、接着剤の熱可塑性樹脂が溶けてはく離する。
ホットメルト工法による接着・はく離の実際
 接着
(1)接合テープ仮止め
接合テープ仮止め
(2)磁力線照射
磁力線照射
(3)圧締(押しつけ)
圧締(押しつけ)

 はく離
(1)磁力線照射
磁力線照射
(2)はく離
はく離
(3)脱着
脱着
※コニシ(株)資料より。
使用機材と接着材料
サイヒット社の携帯型IH機
サイヒット社の携帯型IH機
本体(左)と電源ボックス(右)
「オールオーバーテープ」
コニシ(株)のホットメルト接着テープ
「オールオーバーテープ」(40mm幅)
ホットメルト工法に最適の素材アルミ箔
施工に使うIH機(Induction Heating)の原理は、電磁調理器IHクッキングヒーターと基本的に同じです。
同工法では、発熱体に厚さ約25μm(1000分の25ミリ)のアルミ箔を使い、ほんの数秒で高温を発生させ接着できることが特長。鈴木邦彦氏によると、開発途上では、アルミ箔とスチール箔を併行してテストしたが、小電力での発熱特性、材料の安定性、作業性、安全性(スチールの場合、切断面でけがをする危険性も)、価格などあらゆる面からアルミ箔が最適で、不可欠の材料とのことです。
東京電機大学などと共同研究で開発

 この技術の開発は、1990年代の後半にブラウニーの鈴木邦彦代表がアイデアを考案、1999年から東京電機大学の冨田英雄教授のほか、接着剤メーカーのコニシ(株)、建材メーカーのアキレス(株)など企業33社による「オールオーバー工法研究会」が組織化され、工法の研究・実用化・販売などの検討を開始。2000年〜2001年にはホットメルト・テープやIH機が商品化され、実用化が実現しました。研究会はその後新たに他大学を含めたアカデミックな組織として解体性接着技術研究会に改組。現在105人が加盟し、研究開発を継続しています。

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