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おもしろ活用法:アルミホイルを“氷温熟成”に応用

ご飯が、おさしみが、納豆が…、驚きのおいしさアップ!
家庭用冷蔵庫のほとんどに備え付けの氷温室(チルド室)を利用して、食品の味をぐんと高める方法があります。そこでも活躍するのがアルミ箔です。
今回は、食材研究の第一人者、鎌倉女子大学の成瀬宇平名誉教授(食品学)のアドバイスで、そのノウハウをご紹介しましょう。是非ご家庭でもお試しください。
成瀬宇平名誉教授
成瀬名誉教授
「氷温熟成」で旨み成分を増やす
 魚介類や肉、野菜、果実など生きた細胞を持つ食べ物は、0℃未満からマイナス3.5℃位までの水分が凍り始める直前の温度環境に置かれると、凍結の危険から身を守るために、低温ストレスに対する生体反応として、タンパク質や多糖類の分解現象がおこり、食物の旨味・甘味成分であるアミノ酸やブドウ糖、果糖などが増加します。
この0℃〜−3.5℃位までを「氷温」領域といい、さまざまな食品保管・加工分野では、食材を一定期間この温度環境の中において旨味を引き出す「氷温熟成」というプロセスを取り入れています。
家庭の冷蔵庫とアルミホイルをうまく使えば、この「氷温熟成」と同じ効果を上げることができるのです。
1)ごはんをおいしく炊く
まず、毎日のご飯をもっとおいしく炊き上げる方法です。
お米を研いだら、水につけたままステンレスのボウルに移し、アルミホイルでふたをして冷蔵庫の氷温室に2時間ほど入れておくだけでOK。こうしておいた米は、常温で水につけておいただけの場合と比べ、ずっとおいしく炊き上がります。
内部の水と米が、熱伝導率のよいステンレスとアルミに囲まれた中に置かれることによって急速に冷やされて、0℃〜−2℃前後の“氷温環境”が維持され、米の糖度が増加します。
アルミホイルのふたは、途中氷温室の扉を開け閉めしたときに温度が上がってしまうことも防ぎます。
糖度グラフグラフは、
1米を研いですぐ炊いた場合、
2研いだ米を2時間常温で水に浸けおいいてから炊いた場合、
3研いだ米を前述のようにして氷温室に2時間おいてから炊いた場合の、ご飯に含まれていた糖度の比較です。
3の場合、氷温熟成で糖度が倍増し、その「甘み」が食べるときに感じるおいしさを、ぐんと引き立てていたのです。
 
2) 刺身の旨さをアップする
魚屋さんやスーパーで買ってきたマグロを、お寿司屋さんや高級割烹で食べるさしみの味に近づける方法があります。
まずスーパーなどでは、完全に冷凍されたサクの状態のマグロを購入します。家に持ち帰ったら、それをサクのままアルミホイルで包みます。できればホイルが3重くらいになるようにしっかり包み(アルミの層が厚いほど冷却効果が高い)、これを冷蔵庫の氷温室に入れて1日保管します。
こうするだけで氷温熟成が進み、旨味に関与するアミノ酸(アスパラギン酸、グルタミン酸、アラニンなど)が増加し、逆にイソロイシンなど苦みに働くアミノ酸の増加が抑えられて、おいしさがアップするのです。
サクでなく、さしみに切り分けたものの場合は、それをラップに包んでステンレスのトレーなどにいれ、アルミホイルでしっかりふたをして氷温室に入れておけば、ほぼ同じ効果が得られます。成瀬先生の研究室で、鯛のさしみをこの方法で1日おき、買ってきた時とアミノ酸量を比較したところ、購入時=10.8mg/100g、氷温熟成後=12.3 mg/100gという結果が出ました。
こうした「氷温熟成」の効果は、その他にも納豆の旨みを増したり、いちごなど果物の糖度を上げることなどが実証されています。
納豆の場合、氷温熟成したものと通常保管だけのものとでは、アミノ酸含有量に大きな差がありました。(通常=150mg/100g、氷温=334 mg/100g)
いかがですか。冷蔵庫とアルミホイルを使って、プロの氷温熟成技術を家庭に取り入れるこのウラ技。お宅でも是非お試しください。
〔注〕このように、多くの食品で氷温熟成効果を上げることができますが、氷結冷凍により細胞が壊れてしまっている食材や、寒さに弱い南方系の果物などは効果がありません。(さしみ用魚の冷凍は通常、細胞を破壊しないよう温度管理されている)
 
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