フォーラム講演録

第3回「アルミニウムと健康」フォーラム
 
−アルツハイマー病の予防と治療−
この講演録は2002年4月12日(金)、東京大手町・経団連ホールで行われた講演会の内容を収録したものです。
 

主催者挨拶 (943KB) 

碓井 栄喜 「アルミニウムと健康」連絡協議会

司会者挨拶 (2.00MB) 

田平 武 国立療養所中部病院・長寿医療研究センター長

講演1「アルツハイマー病の早期診断について」 (257KB) 

ロバートP. フリードランド ケース ウェスタン リザーブ大学医学部 老人神経病研究所教授

アルツハイマー病は除外診断により診察するため、細心の注意が必要である。アミロイドβ蛋白に標識化合物を付ける研究をしており、マウスでは成果を収めているが、ヒトに応用できれば早期の段階でアルツハイマー病を特定することができる。早期診断により発症あるいは進行を遅らせることができれば発病するリスクを減らすことが可能だと述べている。

講演2「アルツハイマー病の予防とその科学的根拠について」 (265KB) 

植木 彰 自治医科大学大宮医療センター 神経内科教授

アルツハイマー病患者は魚、緑黄色野菜やその他の野菜、キノコ、海草など抗酸化物の摂取不足となっている。脂質については、アルツハイマー病患者は、n-6系(肉に多いリノール酸など)とn-3系(魚に多いEPAやDHAなど)の比が高い。決定因子ではないがアルツハイマー病が発症しやすいといわれるアポリポE-ε4遺伝子を持っていたとしても、食事制御によりn-6/n-3比を下げることで発症年齢をおくらせることができると解説された。

講演3「アルツハイマー病治療法開発のアプローチ」 (283KB) 

ピーターH. セントジョージヒスロップ トロント大学医学部教授 同神経病理研究所長

現在、アミロイドβペプチドの産出にかかわる酵素を抑制する薬剤、化合物としてアミロイドが毒性、線維になるのを抑制するもの、アミロイドβペプチドの除去を促進する抗体をつくるワクチンなど、アルツハイマー病理機構に対応した治療法が研究されている。ワクチンはマウスで効果が出たが、患者では一部脳内炎症反応が起こったため一時中止している。しかしワクチンあるいは酵素の阻害によって、治療の展望が開けるとの見解が示された。

パネルディスカッション (9.66MB) 


質問はアルツハイマー病に関わるアルミニウム関与の真偽に集中した。これらの質問に対し、「アルミニウムが病気の脳内に存在するのはアミロイドの結合性によるもので、発症のメカニズムには関係しないことがわかってきたため、アルツハイマー病とアルミニウムの関係の研究は少なくなっている」(フリードランド氏)、「アルミ製鍋を避ける必要はない」(ヒスロップ氏)などの回答があった。また主題に関することでは、食事因子や治療薬等について活発に意見交換された。

[参考]「アルミニウムと健康」連絡協議会 (73.9KB)